2008-04-30 配信
先回の虎の巻で「情けは人の為ならず」と書いたところ、「人に情けをかけることは、相手の為にならない」と言う意味では?と、おっしゃる方がおられました。よく、勘違いをされている方がお見えですが、「他人に情けをかけると、回りまわって自分に帰ってくるので、結局は自分の為になる」と言う意味です。よくある勘違いですが、歯科医院でも患者様への応対に関しても勘違いをしている院長先生もよくいらっしゃいます。
この虎の巻でもそうですが、最近は患者さんに「様」をつける医療機関が主流になってきました。名前を呼ぶときも「○○さん」ではなく、「○○様」と患者様を呼んでいます。これは決して悪いことではありません。しかし、患者さんに「様」を付けて呼ぶことで、「うちの医院では患者さんを大事にしている」と安心していませんか?「様」を付けることは、「患者」ではなく、「お客様」として接することの一つの現れであり、「様」を付けることが目的ではないのです。これを勘違いしてしまい、患者さんに「様」を付けることが良いサービスだと思ってしまうのです。患者様は、とって付けたように「○○さま」と、呼ばれても他の対応が従来と何ら変わりがなければ、白々しく感じ、かえって冷たくあしらわれている様な印象を受けてしまいます。これでは逆効果になってしまいます。
「さん」でも「さま」でも大事なのはおもてなしの心。
茶道の心得の中に「一期一会」と言う言葉があります。「この人との出会いは一生に一度かもしれない。だから、今この瞬間を大切にし、最大限に心を配りおもてなしする。」と言う考え方のことです。ご自分の医院に通って来てくれている患者さんにも、一期一会の心で接すれば、応対時に自然と笑顔も出るでしょうし、言葉使いも変わってきます。そこで初めて「○○さま」と言う呼び方が不自然ではなくなるのです。すると次の段階として、気持ちよくお待ちいただくための待合スペースについて考えたり、院内の清掃についての意識が変化したり、説明をよく理解していただくために、マスクを取り、目を見て話をするように自然に変わっていくのです。院長に言われて仕方なくとか、イヤイヤでは決して現れない、仕事に対する「やる気」が芽生えてきます。
スタッフの意識を変えることはとても時間がかかり、一朝一夕に行うことはできません。
しかし、院長先生ご自身が変わることはそれほど難しくはありません。意識を変えることの重要さを理解しているからです。まず、院長先生ご自身から患者様に対する応対を変えましょう。すると、院長先生が丁寧な応対をしているのに、スタッフがぞんざいな態度を取ることができなくなり、自然に医院全体の応対が変わってきます。逆に、院長先生自身は何も変えずに、スタッフに変化を強制しても定着しませんし、患者様にも見透かされてしまいます。「先ず隗より始めよ」の精神で取り組むことが必要なのです。
お忙しい事は十分理解していますが、意識を変えることによる時間的なロスは発生しません。一度本気で取り組んで見てください。
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