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繁盛歯科医院 虎の巻

八の巻 PEST分析で自院(患者)を取り巻く外部経営環境を知る

2009-5-20 配信

八の巻 PEST分析で自院(患者)を取り巻く外部経営環境を知る 前回の虎の巻では、
歯科医院においてもマーケティングは必要であり、その為にはまず自院のことを分析する必要があります。
と、環境分析の手法を3つご紹介しました。
@PEST分析 
A5つの力(Five Forces)
BSWOT分析
の3つです。どれも現在の自院のおかれている状況がどうなっているのかを調べる際に使うのですが、それぞれの分析には各役割がありますので、必要に応じて使い分けていただければ良いかと思います。
それでは、今回の虎の巻では@のPEST分析についトお話しましょう。

PEST分析で自院(患者)を取り巻く外部経営環境を知る。

PESTとは、P(法規制要因)E(経済的要因)S(社会的要因)T(技術的革新要因)のそれぞれの頭文字です。
具体的には、
「P」は法規制の状態と変化(強化・緩和)について書き出します。たとえば歯科医院であれば、医療法による広告規制がありますね。また、法規制の緩和要因としては株式会社の医療への参入が進みつつあります。これは法規制の緩和による脅威となりえます。
「E」の経済的要因で見ると、保険点数の切り下げによる収入の減少。出口の見えない長期に渡る不況による自費診療の伸び悩み等が上げられます。
「S」では、被保健者本人の3割負担により始まった受診抑制が今も続いています。また、都市部においては保健中心では立ち行かなくなった歯科医師が、自費診療の分野へ続々と参入しています。地域によっては高齢化が進み、高齢患者の割合が増加しているかもしれません。
「T」においては、レーザー治療や単純なインプラントの埋入、成人歯列矯正は、もう先端技術とは言えなくなり、差別化を図ることが難しく、今後はサイナスリフトや骨再生が必要となるだろう等です。
ご自身の医院について書き出して表にして眺めてみると、現在の自院を取り巻く環境や、今後やるべきことなどが、なんとなく見えて来ますね。

それぞれの項目に書き出した内容を良く把握しておくことが今後の戦略を立てる際に必要となり、役立ちます。あまり真剣に考えすぎると、歯科業界の行く末が不安になるかもしれませんが、これは、ご自身だけに起きているのではなく、業界全体に起きている事だということを理解しましょう。逆に言えば、このことに早く気づいた人から対策が立てられるのですから。

たとえば、高齢の患者さんが増加していることが分かったが、高齢者に優しい環境が自院に構築していなかったとしたら、院長として取るべき行動は?バリアフリー化・大きい文字のパンフレットの作成・高齢者が求める治療技術の研鑽・習得など、Drのやるべきことも見えてきますし、受付〜診療までの流れも見直す必要があるのではないでしょうか?いち早く対策を取り入れれば、高齢者対策を考えていない医院から患者さんを引き寄せる可能性がでてきます。高齢の方は、かかりつけ医院を変えることはあまりありませんが、お友達や家族からの口コミがあれば重い腰を上げてくれることでしょう。

このように、自院を取り巻く環境を客観的に理解することにより、今後の診療所のあり方や、方向性が見えてきますし、自分に欠けているもの、必要とするものが見えてきます。
PEST分析以外の他の2つの手法も自院を取り巻く環境を分析するためのものです。
それらにより自院について理解したら、次のステップ「どのマーケットを狙うのか」と言うステップに移ります。
それについては、次回の虎の巻でお話しいたします。

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